ADHD外来

ADHD outpatient

当院では18歳以上を対象としたADHD外来を設けております

誰しも「ついうっかり」や「しまった!」という経験はあるかと思いますが、ADHDの方の場合、その程度が日常生活において問題となっていることが多いです。ADHDを特徴づける要素としては「多動性」、「衝動性」、「不注意」があり、それぞれが組み合わさることでご本人の「症状」となります。
特に多動性や衝動性が強い場合は子供のころに診断されることが多いのですが、不注意のみが目立つ場合、大人になるまでADHDと分からず社会人となってから判明することも良くあります。

  • ・ 重要な約束や締め切りを頻繁にうっかり忘れてしまう
  • ・ やるべきタスクを後回しにし、全く別のことに夢中になる
  • ・ 静かに過ごす必要がある場面でも落ち着かず、じっとしていられない
  • ・ 思ったことをすぐ口にしてしまい、相手を傷つける発言になって後悔する
  • ・ 整理整頓が苦手で、物をなくすことが多い
  • ・ 長時間の作業に集中できず、気が散りやすい

その他、ADHDを有している方は、うつ病や躁うつ病、強迫性障害、睡眠障害、アルコール依存症、ギャンブル依存症など2次的な精神疾患を有していることが多く見受けられます。

治療の流れについて

まずは問診でご本人が抱えている悩み事や不安事、不適応症状(家庭内や職場等における)などを伺った上で、必要に応じて血液検査や心理検査を行わせて頂きます。特に心理検査においては下記の検査を取り揃えており、ご本人の状態を正確に把握するために段階的に行っていきます。また治療に関しましては、患者様の状態に合わせ、依存性や耐性が生じないお薬の提案をすることがあります。ほか医師による精神療法を軸としつつ、心理士によるカウンセリングを併せて行うこともあります。

  • 当院で行える心理検査(ADHD外来用)

    • WAIS-Ⅳ、A-ADHD、AQ-J
      主に知能指数や発達特性を調べる検査となります。
    • CES-D
      抑うつ傾向がどの程度あるのかを調べることが出来ます。
    • バウムテスト、PFスタディ
      現在の心の状態を客観的に捉えることを目的とした検査です。絵を描いてもらうもの、質問に答えてもらうもの、文章を書いてもらうもの等、いくつかの種類があります。
  • 治療内容について(ADHD外来用)

    • 薬物療法

      当院では主に下記の治療薬を処方することが多いです。その他、西洋薬の服用が難しい場合は漢方薬を選択することもあります。

      • コンサータ
        ADHD治療の主役となるお薬で、不注意や衝動性など症状全般に効果的です。医師に処方資格がないと処方できないお薬となりますが、当院では「コンサータ錠登録医師」が対応しますので、ご安心ください。6歳以上から処方可能ですが、当院では18歳以上の患者様に限定させて頂いております。(※20歳未満の患者様への処方には、保護者の同意が必要です)
      • ストラテラ
        コンサータの効果が乏しい、体に合わない方にはこちらのお薬を選択することがあります。効果発現はコンサータに比べるとゆっくりとなりますが、用量を調整することで症状の緩和が得られることも多いです。
      • インチュニブ
        コンサータだけでは治まりきらない多動、衝動性に対して処方しています。患者様からは「頭のモヤモヤ、ざわつき感が取れた」との感想を受けることが多いです。
    • 精神療法
      ADHD症状に伴う生活場面での不適応に対し、適宜助言や指導を行っております。また症状のために様々な失敗を重ねてしまい、そのために自信や自尊心の低下を来たしている患者様もいらっしゃることから、病状回復に向けては丁寧な診察を心掛けております。
    • 心理カウンセリング
      日常生活における不安、悩み、心配事が多岐にわたる場合、心理士によるカウンセリングを導入させて頂く場合があります。(導入については、医師の判断に基づきます)